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逝きし世の面影

2016.2.29

どうも!池田知隆です。

 

今ある人がお勧めしていた『逝きし世の面影』という本を読んでいます。

 

渡辺京二さんという方が著者なのですが、現在85歳・・・

 

 

11年前に書かれた本なので、書かれた時で74歳。かなり読みづらいです・・・。

 

 

ただ、読みづらさはありますが、内容がすごく興味深いんです。

 

この本は江戸時代末期から明治時代にかけて日本を訪れた外国人の文献を多く紹介しているのですが、その時代の日本人の文化というか精神性が本当に素晴らしいんですね。

 

当時は当然飛行機なんてありませんので、船で日本まで来るわけです。

ただ、当時の航路では、太平洋から日本に来る航路はなくて、日本に来る欧米人は必ず、大陸を経由して様々な国々を訪れた後、最後の国として日本に訪れます。

あらゆる国々を見てきた外国人が最後に日本を訪れて感じたことが紹介されているわけです。

 

特に印象的だった外国人の文献を紹介したいと思います。

 

「彼ら(当時の日本人)はあまり欲もなく、いつも満足して喜んでさえおり、気分にむらがなく、幾分荒々しい外観は呈しているものの、確かに国民のなかで最も健全な人々を代表している。このような庶民階級に至るまで行儀は申し分ない。」「彼らの無邪気、率直な親切、むきだしだが不快ではない好奇心、自分で楽しんだり、人を楽しませようとする愉快な意思は、我々を気持ちよくした。一方婦人の美しい作法や陽気さには魅力があった。さらに通りがかりに休もうとする外国人はほとんど例外なく歓迎され、「おはよう」という気持ちの良い挨拶を受けた。この挨拶は道で会う人、野良で働く人、あるいは村民から絶えず受けるものだった。」

 

いかがでしょうか?

 

当時の日本人がどのような様子だったかが、ありありと想像できませんか?

 

農村部や村民というのは、当時の階層社会でいうと最下層に属するような人々です。当時の外国人がいろんな国を訪れる中で、こういった最下層の人々が心豊かに生活している様子はかなり衝撃的なものとして映ったに違いありません。

 

無いモノに目を向けるのではなく、在るモノに目を向け、全てのモノに感謝しながら生きていく。そういった文化・精神が当時の日本にはあったのではないでしょうか。

 

明治維新からの富国強兵、戦後の高度経済成長を経て、今の日本人が失ってしまったものがこの本にたくさん書かれていました。

 

モノが溢れる時代だからこそ、この時代に生きた人々の生き様やモノの考え方を再度見つめなおす必要があるのではないかと思います。

 

 

個人的にはすごくお勧めの本です。ぜひ手に取っていただければと思います。

 

 

ただ、まだ私も1/5くらいしか読めていませんが笑

 
逝きし世の面影
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